【動画】西アフリカ・ギニアの森でチンパンジーがサワガニを捕食=研究チーム提供
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 西アフリカ・ギニアの森にすむ野生のチンパンジーが、水辺にすむカニを食べることがわかった。これまで、人間以外のヒト科の類人猿は水が苦手で、水生動物は食べないとされていた。人間の祖先が水生動物を食べるようになったルーツに迫る発見という。京都大などの国際研究チームが29日、英科学誌に発表した。

 チームは2012年、ギニアのニンバ山の森にある沢で、チンパンジーが石をひっくり返したり、指でひっかいたりした跡を発見。14年4月までカメラを4カ所に置いたところ、チンパンジーが計181回、カニを捕って食べる様子をとらえた。子連れのメスが多かった。

 深い森にいた人間の祖先が水生動物を食べるようになったのは、初期の人類が森を出て、水辺に近い場所で暮らし始めた200万年程度前と考えられていた。チームの松沢哲郎・京大特別教授(霊長類学)は「400万年以上前に深い森で暮らしていた猿人も既に、水生動物を食べていた可能性を示している」と説明する。

 研究成果は英科学誌「ジャーナル・オブ・ヒューマン・エボリューション」に掲載された。カニクイザルなど、ヒト科以外のサルではカニを食べる種類がいる。チームは12年より前から現地のチンパンジーを調査していたが、ふんの分析からカニは見つかっていなかった。松沢特別教授は「きっかけはまだわからないが、近年になって起きた変革のようだ」と話す。(野中良祐