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 河野太郎外相は23日午後、訪問先のパリで韓国の康京和(カンギョンファ)外相と予定を1時間上回り、約1時間20分会談した。韓国の大法院(最高裁)が元徴用工らへの損害賠償を日本企業に命じた判決をめぐり、日本政府が20日に要請した日韓請求権協定に基づく仲裁委員会の設置に応じるよう求めた。

 元徴用工らへの賠償問題について、日本政府は1965年の日韓請求権協定で完全かつ最終的に解決済みとの立場。判決を受けて今年1月、協定に基づく協議を要請したが、韓国政府が回答しないまま原告側による日本企業の資産差し押さえの動きが進んだ。5月1日には原告側が資産を売却する申請を申し立てたと発表。さらに、15日には対応にあたっていた李洛淵(イナギョン)首相が「政府の対応には限界がある」と発言した。

 そのため、日本政府は20日に第三国を交えた仲裁委員会の設置を韓国政府に要請。協定に基づけば、韓国政府は30日以内に委員を任命することになっており、期限は6月18日だ。河野氏は21日の記者会見では「文在寅(ムンジェイン)大統領に韓国政府を代表して、責任を持って対応いただきたい」と述べていた。

 一方、韓国側は「諸般の要素を勘案し、慎重に検討していく」(外交省)としており、康氏は河野氏との会談でこうした考えを伝えたとみられる。

 日本側関係者によると、康氏は河野氏の要求には応じず、会談は平行線に終わった。(パリ=鬼原民幸)