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 9億人の有権者がいる「世界最大の民主主義国」インドの総選挙(下院、公選議席543)は、モディ首相(68)が率いる与党インド人民党が303議席を確保して勝利を決めた。30日に2期目の首相就任の宣誓をする見通しだが、パキスタン空爆をアピールした選挙戦術や、少数派を軽視するような姿勢は危うさもはらむ。

 モディ氏はニューデリーの党本部で「これはモディの勝利ではない。若者や農民らすべての人々の勝利だ」と宣言。党のイメージカラーのサフラン色の服や帽子を身につけた支持者でごった返し、太鼓を鳴らして踊ったり、爆竹を鳴らしたりして、勝利を祝った。

 人民党の勝利を後押ししたのは、空軍による2月のパキスタン領内への空爆だ。同国と領有権を争っているカシミール地方でパキスタン系イスラム武装組織が実行した、自爆攻撃への報復だった。

 選挙戦でモディ氏は、この空爆について「(パキスタン側を)たたきつぶした」と繰り返しアピール。過去に3回戦争をしたパキスタンに反感を持つインド人たちを熱狂させた。財政難にあえぐパキスタンが大規模な反撃に出なかったことも、モディ氏には追い風になった。

 グジャラート州首相時代に、インフラ整備や外国企業の誘致で手腕を発揮し、前回総選挙では経済改革を中心に訴えたモディ氏。首相1期目には、州ごとに異なっていた間接税を集約する物品サービス税を導入。7~8%の経済成長を実現して、経済を活性化させた。日系企業幹部は「モディ政権は企業活動を後押ししてきた」と語る。

 だが今回は、パキスタン空爆を念頭に安全保障を第一に掲げたほか、「2030年までに米中に次ぐ世界3位の経済大国」「国連常任理事国入り」など、大国化を意識して、国民の誇りを喚起するかのような文言をマニフェストに並べた。経済を全面に打ち出さなかったのは、経済成長が、公約だった雇用創出に結びつかなかったためとみられる。

 シンクタンクCMIEによると、17年12月からの1年で失業者が約1100万人増加。加えて、国民の大半を占める農民の貧困問題でも批判があった。

 農産物価格の低迷や農機具の価格高騰に苦しんでいるという、グジャラート州の農家アムラット・パテルさん(62)は「つくればつくるほど赤字になる」と取材に話した。

 そのため、与党側は当初は苦戦も予想されていた。

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