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 「株式投資を始めたい」「株や投資信託といったリスク資産と、貯金の割合はどれくらいがいいか」

 4月中旬の夜、東京都中央区のカフェ。女性8人が、投資についての情報を交換していた。お金について勉強するコミュニティー「きんゆう女子。」の集まりだ。

 参加した神奈川県の女性(27)は、1月から投資信託を始めた。「年金に不安がある。20年、30年後に資産が増えているといい。投資は知識があるかどうかで差がつくので学び続けたい」と話す。

「資産寿命」延ばし「自助」促す

 今、資産形成の必要性がひときわ注目を浴びている。金融庁は今月、老後の蓄えにあたる「資産寿命」を延ばすための報告書を公表。年金暮らしの無職の高齢夫婦は平均で月約5万円の赤字、老後の20~30年で1300万~2千万円が不足すると指摘し、長期・分散・積み立て投資などによる「自助」を求めた。一方で、「年金の限界を認めた」と批判がわき起こり、麻生太郎金融担当相が報告書の受理を拒むなど、混乱を招いた。

 投資に関心を持つ多くの人が手に取る1冊の本がある。米国で1997年、日本では2000年に刊行された「金持ち父さん 貧乏父さん」だ。担当編集者の磯部知子さん(62)は約20年前の出版当時、既に「終身雇用は崩れ、年金もあてにならなくなる予感があった」と言う。「そんな時代に求められる一冊と思った」

 本は、お金持ちになるには働いて給料を得るだけでは不十分で、株や不動産などで不労所得を得るべし、と説いた。国内のシリーズ累計発行部数は407万部に達し、今も売れている。

 影響を受けた投資家も多い。不動産や太陽光発電に計27億円ほど投資してきたという沢孝史さん(59)は「お金のために働くのではなく、お金に働いてもらう」との考え方に感銘を受けた。当時、投資を始めたばかりだったが、背中を押されるように不動産を買い増していった。

 日本での刊行は、国が投資を促そうと規制緩和を進めていた時期とも重なった。金融ビッグバンだ。主眼は経済の再生。銀行窓口での投資信託の販売解禁や株の売買手数料自由化などで個人の貯蓄を市場に呼び込み、成長産業を支えることが期待された。

 だが、副作用も大きか…

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