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 米司法省は23日、内部告発サイト「ウィキリークス」創設者で、英国で刑に服しているジュリアン・アサンジュ被告(47)に対し、連邦大陪審がスパイ法違反として17の罪で追起訴したと発表した。一方で、機密情報の暴露が同法違反とされれば報道機関の活動にも影響するとの懸念も出ている。

 起訴状によると、アサンジュ被告は2009年11月から10年5月にかけ、米陸軍情報分析官に、機密情報を盗んでウィキリークスに提供するよう働きかけた。分析官が提供した文書には、機密指定されていたイラク交戦規定や、イラクやアフガニスタンでの米政府の現地協力者の氏名も含まれていた。公開されたことで米軍や、協力者を大きな危険にさらしたという。

 同被告は今回、国防に関する機密情報の不正入手・公開を共謀したとされたほか、文書ごとの不正入手や公開が罪に問われた。同被告はこれまで米政府へのハッキングを共謀した罪で起訴されていたが、今回はスパイ法違反に問われた。罪が格段に重くなり、司法省によると、18の罪状すべてで有罪となると合計で最長禁錮175年の刑が科されるという。

 一方、罪に問われた「機密情報の入手、公開」という行為は一般的な報道機関の仕事と大きな違いはないとの見方もあり、米メディアの間では今回のケースが「報道の自由」に影響しかねないとの懸念も広がっている。トランプ政権はメディアへの情報漏洩(ろうえい)に神経をとがらせて対応を強化しており、こうした政権の方針がスパイ法違反でのアサンジュ被告起訴にも反映したと見られている。(ニューヨーク=鵜飼啓)