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 米国の資産運用会社「MRIインターナショナル」(本社・ラスベガス)が日本人顧客から集めた約1300億円を消失させたとされる事件で、ラスベガスの米連邦地裁は23日、詐欺罪に問われた元社長のエドウィン・ヨシヒロ・フジナガ被告(72)に懲役50年の判決を言い渡した。

 被害弁護団によると、23日の公判で、フジナガ被告は「まじめにビジネスをしていただけで、だますつもりはなかった」などと改めて主張したが、ナバロ裁判官は「証拠に照らすと、被告人の陳述内容は意味不明で、減刑を認める理由がない。被告は盗みに盗みを重ねてきた」と述べ、量刑を言い渡したという。

 MRIは1998年以降、「米国の病院から診療報酬の債権を安く買い取り、高く売って利ざやを稼ぐ債権回収ビジネスを行っている」とうたい、日本人約8700人から1300億円以上の資金を集め、大半を消失させていた。

 米当局は、フジナガ被告は投資家から集めた資金のうち、実際に債権購入にあてたのは全体の2%未満で、プライベートジェット機やラスベガスの豪華マンション、ビバリーヒルズの不動産、ベントレーやマクラーレンなどの高級車の購入など豪奢(ごうしゃ)な生活にあてていた、と指摘した。

 この事件を巡っては、同社の元幹部で、日本在住の鈴木順造被告(70)と長男の鈴木ポール武蔵被告(40)の2人が米司法省に詐欺罪で起訴されている。東京高裁の決定を受け、2人は4月に米国に引き渡され、裁判を待っている状態だ。(サンフランシスコ=尾形聡彦

被害者「日本では考えられない長期刑」

 被害者と弁護団は24日、判決を受けて東京都内で記者会見した。被害者の広野悌(やすし)さん(79)は「懲役50年は日本では考えられない長期刑で、おおむね満足。1日でも早く、1円でも多くお金を返してほしい」と話した。弁護団は声明で、「米国の刑事司法制度の中で正義が実現された」と判決を評価し、被告には「上訴審に控訴などすることなく、真摯(しんし)に反省してほしい」と求めた。