サーファーら連携、男性救助 亡き後輩を思い出し蘇生

大村久
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 宮崎市の海で男性を救助したとして、IT関連会社員、植田宏二さん(53)=同市赤江=に24日、宮崎県警宮崎南署から感謝状が贈られた。

 植田さんは大型連休中の5月2日午前9時半ごろ、同市田吉の赤江浜で、京都市の男性会社員(51)が意識を失ってうつぶせで海に浮いているのをサーフィンの波待ち中に見つけた。

 波打ち際から約30メートル、水深1メートルほどの場所で、「悪ふざけでもしているのかと思ったが、ひっくり返してみると口から泡を吹いていた」。急いで男性を岸まで運び、大声で周りのサーファーに助けを求めた。

 集まった20人ほどに119番通報を依頼するとともに、浅瀬で心臓マッサージをした。救急車が到着すると、男性を仲間のサーフボードに乗せて8人で運んで救急隊に引き継いだ。

 署によると、男性は病院で意識が戻った。現在は仕事もしており、日常生活に支障はないという。サーフィン中に何らかの事情で頭を強く打ち、気絶したとみられる。男性は「危ないところを救助してもらい、感謝しています。生かされた命なので、今後の人生を大切に生きていきたい」と署を通じて感謝のコメントを寄せた。

 植田さんはサーフィン歴20年ほど。心肺蘇生方法は会社の防災訓練で知っていたという。救助中は十数年前に30代の後輩がサーフィン中に亡くなったのを思い出し、懸命に心臓マッサージをしたという。

 植田さんは「必死にできることをやった結果。その場にいたほかのサーファーのおかげでもあり、自分は代表で感謝状をいただいた」と話した。(大村久)

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