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 政府は28日、基礎研究の重要性が一層高まっているとする、2019年版の科学技術白書を閣議決定した。日本の科学技術の基盤的な力が国際的に低下していることを挙げ、ノーベル賞受賞者らが繰り返し基礎研究への危機感を訴えていることを紹介。「(すぐには実用に結びつかないような)様々な分野を長期的に育んでいくことが重要だ」とした。

 白書によると、日本の論文数は04~06年は米国に次ぐ2位だったが、14~16年は中国とドイツに抜かれて4位になった。特に、引用される回数が上位10%に入る重要な論文の数は4位から9位に落ちている。

 白書は、ノーベル賞を受けた京都大の本庶佑特別教授が「応用だけでは大きな問題が生じる」、東京工業大の大隅良典栄誉教授が応用研究が重視されている現状を「とても危惧している」と発言していることを引用。真理の探求や基本原理の解明を目指す基礎研究は、長期的な社会課題の解決や新産業の創出につながるとし、質の高い研究人材の確保や継続的な挑戦を支える研究資金の改革などを進めるとした。(合田禄)