[PR]

 欧州連合(EU)離脱をめぐる英国の混迷は、政権トップが交代する事態に至った。後任には「合意なき離脱」も辞さない強硬派議員が有力候補となっており、離脱の行方はますます不透明だ。影響はEUや世界経済にも及ぶ。

 「まもなく職を辞するが、2人目の女性の首相という仕事を誇りに思ってきた。愛する国に尽くす機会を得たことを感謝する」

 24日、英首相官邸前での演説の最後、メイ首相の声は涙で震えた。窮地を自説を押し通して乗り切ってきたメイ氏が、ついに白旗を上げた。

 政府の離脱案への与野党の合意を得ることに、何カ月も苦しんできた。

 辞意表明の直接の引き金になったのは、メイ氏が21日に表明した「新たな提案」だ。EU残留の選択もありうる2度目の国民投票の実施を、英議会が政府の離脱案に賛成することを条件に容認する内容。野党・労働党の取り込みを狙ったが、メイ政権の弱体化を見越した労働党は提案に乗らなかった。離脱派が多い与党・保守党からも「これまでの提案より悪い」と反発を受けた。離脱期限まで半年を切り、起死回生を狙った提案があだとなった。

 政権の主要メンバーだったレッドサム下院院内総務は提案の翌日、抗議の辞任。英メディアによると、普段は忠実なハント外相やジャビド内相も反対し、メイ氏に再検討を要請。身内の保守党からの支持はほとんどなかった。離脱関連法案を6月初めに採決し、少しでも早い離脱につなげる望みは早々に消えた。

 この一件で保守党内にくすぶる「メイ降ろし」の動きが加速。党首選を管轄する党内の委員会は22日、年末まではできないはずの党首不信任投票を可能にする党ルールの変更を認めるかを、投票していた。24日、メイ氏が辞任に応じなければ、投票用紙が入った封筒を開封し、手続きを進める手順が整っていたという。

 英国で23日に投票があった欧州議会選では、「EUとの早期決別」を掲げる新党ブレグジット(英EU離脱)党が躍進し、保守党が大敗するとみられ、26日に開票結果が出れば、辞任圧力はさらに強まる見通しだった。自ら辞めるか、極めて不利な情勢で不信任投票を受けて立つか。党内を説得する材料は尽きていた。

 「離脱を実現できなかったことを、深く後悔し続けるだろう」。メイ氏は無念さをにじませた。

■後任は「強硬離脱派」…

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら