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 健康な人のiPS細胞から免疫細胞を作り、頭頸部(とうけいぶ)がんの患者に移植する臨床試験(治験)を、理化学研究所と千葉大のチームが来年2月にも国に申請する。iPS細胞を使って、がんを攻撃する治験は国内初という。認められれば3月にも始める方針だ。

 計画しているのは、理研生命医科学研究センターの古関明彦副センター長と千葉大の岡本美孝教授らのチーム。鼻や口など、顔や首周りにできるがんの患者で、標準的な治療後に再発したり、効果がなかったりした3人を対象にする。

 チームは「ナチュラルキラーT(NKT)細胞」と呼ばれる免疫細胞に着目。体内に存在するが数が少なく、がん患者では減っていたりうまく働かなくなっていたりするという。

 治験では、NKT細胞を効率良く大量に作るため、健康な人の血液から採取したNKT細胞からiPS細胞を作製。このiPS細胞を大量に増やした後、改めてNKT細胞に変化させてから、2週間ごとに計3回、患部近くの血管に注射して移植する。

 同大ではNKT細胞を使った頭頸部がんの治療をしており、これまでのデータの蓄積がある頭頸部がんをまず対象とした。

 移植したNKT細胞や、活発になったほかの免疫細胞が、がんを攻撃することを見込んでおり、2年間かけて安全性や効果を調べる。マウスでの実験では、がんの増殖が抑えられたことを確認したという。

 古関さんは「安全性を確認しつつ、腫瘍(しゅよう)がどのくらい小さくなるのか調べたい」と話している。(戸田政考)