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(25日、大相撲夏場所14日目)

 身長187センチ、体重177キロ。出身地にちなみ「富山の人間山脈」とも称される恵まれた体を、朝乃山は豪栄道にぶつけた。

 自身も大関も、得意の右四つがっぷりに。左上手をがっちりつかんだ朝乃山が、投げから豪栄道を崩す。勝機とみるや、一気に寄り切った。直後の結びで横綱鶴竜が敗れ、初優勝。土俵下の朝乃山は「あまり実感はないです」。座布団が舞う中、表情を変えず、花道を引きあげた。

 近大時代に実績を残し、2017年秋場所の新入幕で敢闘賞を獲得した。ただ好不調の波が激しく、伸び悩んだ。今場所、気持ちのムラを抑えようと繰り返した言葉が「平常心」だ。優勝争いのさなかでも、朝稽古後に報道陣に丁寧に応対した。笑顔で、何十分と話し込む日も。大好きな酒を断って体調管理にも努め、連敗は一度もなかった。

 実は、栃ノ心と際どい勝負になった前日の相撲を引きずっていた。「ずっとモヤモヤしていた」。しかし、優勝後、その栃ノ心と館内ですれ違い、「おめでとう」と祝福を受けた。「うれしかった」と、ようやく素直に喜べた。

 名門高砂部屋は、10年初場所の朝青龍を最後に優勝から遠ざかっていた。17年初場所には、1878年の創設以来初めて関取不在という事態に陥った。その後に「新しい歴史を作る」と看板を支えてきたのが朝乃山だ。千秋楽に令和最初の賜杯(しはい)を抱く。大器が一躍、新時代の主役候補に名乗りを上げた。(甲斐弘史)

■近大監督「のんびりがいいとこ…

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