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 高校野球の春季近畿地区大会が25日、奈良・佐藤薬品スタジアムで開幕し、いきなり「智弁対決」で注目を集めた。智弁学園(奈良)が3本塁打に1年生投手の好投などで、9―7で智弁和歌山に逆転勝ち。「兄貴分」の意地を見せた。

 白地に朱色が映えるユニホームは、袖につく県名と校章の一部が違うだけで、ほぼ一緒。智弁学園は昨秋の練習試合で和歌山に2―25で大敗している。この日、三回にチーム初安打となる左越え本塁打を放った佐藤尊将(2年)は「去年も先発出場したけど、二回ぐらいで交代させられた。今日は九回まで粘ろうと思った」という。

 五回を終えて2―6。智弁学園劣勢の流れを変えたのは、公式戦初登板の1年生左腕、西村王雅(おうが)だ。六回からマウンドに上がり、いきなり2者連続三振。「あの三者凡退が流れを持ってきてくれた」と小坂将商監督が評価した通り、その裏、4番吉村誠人(3年)の満塁本塁打で追いついた。

 西村は中学硬式野球の京都リトルシニアで全国大会ベスト8。「智弁にあこがれて入学した」という。春の県大会ではベンチ入りできず、「悔しかった。初めての公式戦が智弁和歌山でビビッたけど、気持ちだけは負けないように投げた」。

 サイド気味の腕の振りから伸びのある直球が持ち味。「目先を変える」というカーブも有効で、4回を5安打1失点に抑え、逆転勝利を呼び込んだ。

 「自分たちの打線もいいので信じて投げた。最高の気分です」。172センチ、65キロ。まだきゃしゃな15歳が、1995年秋の近畿大会、2002年夏の甲子園に続く公式戦3度目の「智弁対決」で、初めての勝利を智弁学園にもたらした。

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 両校は1995年秋の近畿大会準々決勝で対戦し、5―0で智弁和歌山が勝利。2002年夏は選手権大会3回戦で対戦し、和歌山が7―3で勝った。今春は関東地区大会の決勝が「東海対決」となり、東海大相模(神奈川)が東海大菅生(東京)を7―3で下した。(編集委員・安藤嘉浩