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 認知症のお年寄りがスタッフを務め、注文を間違えても「ま、いっか」と本人も客も笑い合う。そんな「注文をときどき間違える料理店」が26日、大津市の和菓子メーカー「叶匠寿庵(かのうしょうじゅあん)」の飲食店で一日限定で開かれた。一昨年に東京で始まった企画で、滋賀県内では初の開催となった。

 会場は、同社が運営する寿長生(すない)の郷(さと)(大津市大石龍門4丁目)にある飲食店「梅窓庵(ばいそうあん)」。70~90代の認知症のお年寄り11人が、サポートスタッフの力も借りながら客をもてなした。「あれ、注文は親子丼じゃなかったです?」「おそばでしたけど、構いません。親子丼もおいしそう」というやりとりも。

 主催したのは介護関係者でつくるボランティア団体「明るい未来」。代表の細江恵美子さん(55)は認知症介護指導者などの資格を持っている。「認知症の人でも手作業の上手な方やユーモアのある方がたくさんおられます」

 一昨年、東京で同様の取り組みがあったのを知った。昨年には京都市内でも同様のイベントが開かれ客として足を運び、ぜひ県内でも開催したいと叶匠寿庵に協力を頼んだ。

 接客した大津市南郷の和田幸平さん(78)はパーキンソン病の持病もある。「楽しかったし元気になれた。まだまだやれるね」。会場設営や案内に協力した大石地区の半田育子さん(49)は「認知症の方も楽しく暮らせる地域になるよう、取り組みを続けたい」と話していた。(新谷千布美)