「居酒屋兆治」「鉄道員(ぽっぽや)」など、高倉健さんの主演作を数多く手がけた映画監督の降旗康男(ふるはた・やすお)さんが20日、肺炎のため東京都内で死去した。84歳だった。葬儀は近親者で営んだ。お別れの会は開かない。喪主は妻典子さん。

 1957年、東京大学文学部仏文科を卒業して東映に入社。66年に「非行少女ヨーコ」で監督デビューする。2作目の「地獄の掟(おきて)に明日はない」で初めて高倉さんの主演映画を撮る。以来、「新網走番外地」シリーズなど、コンビで娯楽映画を量産した。

 74年に東映を退社。同じくフリーになっていた高倉さんの主演で「冬の華」を発表。それまでの娯楽路線とは少し異なる、哀感と叙情性の濃いヤクザ映画として高い評価を得た。以後、「駅 STATION」や「夜叉(やしゃ)」「ホタル」など、高倉さんの後期の映画はほとんど手がけている。

 99年、浅田次郎さんの直木賞受賞作「鉄道員」を映画化。北海道を舞台に、高倉さん演じるローカル線の駅長と家族の物語を、木村大作カメラマンの美しい映像とともに描き出し、日本アカデミー賞最優秀監督賞と最優秀脚本賞を得た。

 2001年度に芸術選奨文部科学大臣賞。14年に高倉さんが死去。12年の「あなたへ」まで、高倉さんとのコンビ作は20本に上った。

 「赤い疑惑」(TBS系)などテレビドラマの演出も多い。

 16年に「追憶」を監督した後、パーキンソン病を患っていた。