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 路上でデビューし、店頭で腕前を披露。まるでミュージシャンのような上昇志向で、靴磨きをなりわいにしたいと志す若者たちがいる。雑踏の中で客が差し出す「足」を靴墨にまみれながら磨く従来の姿とは違った世界がそこにあった。

 大阪の歓楽街・北新地。会社員の越川卓哉さん(25)=兵庫県伊丹市=が路地に面したバーの前で靴磨きをしていた。洗いざらしの黒シャツにジーンズ姿。3種類のブラシを使い分け、馬毛でほこりを落とし、素手で塗り込んだクリームを豚毛でなじませ、ヤギ毛で仕上げる。

 「次に履いた時、めっちゃ柔らかいですよ」と越川さん。客は隣でスリッパに履き替え、コーヒーを飲みながら仕上がるのを待っていた。常連の男性(46)は「靴がピカピカになっていくのを見ながら雑談する。この時間がいいね」と満足そうだ。

 越川さんは毎週土曜の午後、この場所と階上の洋服店内を間借りして靴を磨いている。靴への「栄養補給」や補色などの基本コースで1足1千円。30分ほどかけて輝くような光沢を施す「鏡面磨き」も加えると2千円だ。多くて1日10足余りを磨く。日曜は靴修理店のイベントへの参加や、客の自宅への「出張磨き」もしている。

 越川さんは19歳の時、初めて革靴を買った。大切に手入れをするうちに、靴磨きに興味を持った。それから3年間、靴磨き店を巡って技術を学んだ。2017年2月、大阪府枚方市内で「路上デビュー」。同年4月から大阪・キタに移った。客が少ない日が続き、平日はメーカーで働いているため、体もしんどい。彼女との約束も後回し。糞(ふん)がついた靴で2回続けて来た客もいた。

 「もう今日でやめよう」と決意…

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