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 親が育てられない子供を匿名で預かる熊本市西区の慈恵病院の「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)に昨年度預けられた子ども7人中4人は、母親が医師らの助けを借りず一人で産んだ「孤立出産」だったと、熊本市が27日発表した。同病院は母子の安全のために匿名で病院で出産できる「内密出産」の導入を検討しており、市は国に法整備の検討などを引き続き求めていく考えを示した。

 市によると、「ゆりかご」開設以来受け入れた人数は計144人。運用状況を検証する市の専門部会では「慈恵病院や市の児童相談所が把握した子どもの状況や情報を移管先の児相に適切に伝えることが大事」などと指摘されており、この日開かれた市の会議で報告された。

 会議では、内密出産の検討状況を尋ねる質問もあった。市は厚生労働省がドイツなど海外の先進事例の研究を進めていることを紹介。「市や慈恵病院だけで対応できるものではなく、国に全国的な課題として取り上げてもらうよう要望している」と説明した。

 大西一史市長は「設置から12年たったいまでも様々な事情で預けられた子どもがおり、妊娠の悩みを抱える人が多く存在している。内密出産制度の法整備の検討など、救済のために国の関与や相談体制の強化に向けて、引き続き国へ働きかける」とコメントした。(白石昌幸)