愛知県を訪れていた天皇、皇后両陛下は2日、尾張旭市の県森林公園で開かれた第70回全国植樹祭式典に出席した。天皇陛下は「健全な森を次世代のために造っていくことは、私たちに課せられた大切な使命」と呼びかけた。

 この式典での天皇のおことばは、上皇さまが74歳だった2008年を最後に取りやめられており、今回11年ぶりに復活した。

 この行事は戦後、荒廃した国土の緑化を図るため、1950年に始まり、天皇の恒例の地方公務の一つとされてきた。陛下は今回初めて出席し、「七十年にわたり開催されてきた歴史の重みと、国土緑化に長い年月を掛けてこられた先人の努力に思いをはせ、感慨を覚えます」と語った。

 両陛下はその後、心身に障害を持つ人たちが入所する県三河青い鳥医療療育センター(岡崎市)を訪れ、車椅子に乗ったまま音楽に合わせて動かしてもらうダンスを見守った。施設を発つ際は玄関脇で見送る人たちに近寄り、手を握ったり、「お体に気をつけて」と声をかけたりした。

 今回は即位後初の地方訪問となった。沿道には多くの人が詰めかけ、両陛下は車のスピードを落として車窓から手を振った。人波が途切れず、視察先への到着が遅れることもあった。(中田絢子