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 例年にない早さで真夏の暑さになった東海地方で、水不足が深刻だ。各地のダムの貯水量が減り、下流で給水制限が広がっている。気象庁によると6月も少雨が続く見通しで、農業や暮らしへの影響が心配だ。

 5月27日、愛知県岡崎市・六ツ美地区の田んぼには水が張られていたものの、底にはひび割れが見え、稲の一部が枯れていた。約80ヘクタールで稲作をする農業法人代表の加藤健一さん(50)によると、4月下旬にコシヒカリを植えたが、水不足で一時干上がってしまったという。秋の収穫量は例年より1割弱ほど減りそうだといい、「農業を始めて約30年、田植えでこんなに苦労するのは初めて。これで空梅雨になったらどうなるのか、気が気じゃない」。

 原因は、農業用水を供給する巴川の水源の羽布(はぶ)ダム(同県豊田市)の貯水量低下だ。5月31日現在で44・7%と平年の半分ほどしかなく、管理する愛知県は4月から配水する地域を分け、3日おきに交互に通水する対策を取る。県西三河農林水産事務所の担当者は「厳しいが、地元農家と相談して当面は節水を続けることにしている」という。

 愛知県東部に水を供給する豊川用水では、水源の一つの宇連(うれ)ダムで5月19日、1985年以来となる貯水量ゼロを記録した。同用水は現在も水道・農業・工業用水の10%節水が続いている。ダムを管理する水資源機構によると、宇連ダム周辺では例年3月にまとまった雨が降るが、今年3月の降水量は66ミリと平年の3割にも満たなかった。

 豊川用水から取った水道用水は、愛知県企業庁によって豊橋、豊川、新城、蒲郡、田原の5市に供給されている。このうち蒲郡市は水道水の独自水源を持たず、100%を豊川用水に頼っている。同市役所では節水のために新館2~8階の西側トイレの使用を中止。市水道課の担当者は「古くからの市民は、豊川用水の重要性をよく知っている。節水要請を切実に受け取って対応してくださっていると思う」と話す。

 国土交通省中部地方整備局によると、木曽川の愛知用水も水源の一つの牧尾ダム(長野県)で降水量が平年の6割ほどにとどまり、水道10%、工業・農業用水20%の節水をしている。愛知用水を使う愛知県阿久比町の農業法人代表、都築興治さん(33)は「稲が育つ夏場の水不足は、収量や品質に直結する」と不安を隠せない。三重県でも、宮川ダム(大台町)を水源とする宮川用水が農業用水で35%節水している。(柏樹利弘、宮沢崇志)

■今後の見通…

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