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 抗うつ薬は、承認された用量の範囲内の少なめの量を飲むのが最も効果的とする研究結果を、日英などの国際チームがまとめた。結果をもとに研究者は、少ない量から始めて副作用に注意しながら増やすことを勧める学会の治療指針の見直しが必要と指摘する。

 英医学誌ランセットの関連誌で6日、発表した。京都大の古川壽亮(としあき)教授(臨床疫学)や英オックスフォード大などのチームは、副作用が少ないとされる新世代の抗うつ薬に関する77の論文を検証。飲む量が増えるにつれ、薬の効果や服薬を中断する割合がどのように変わるのかを調べた。

 いずれの薬も承認された用量内なら、低い用量でも高い効果を示した。それ以上量を増やしても効果はさほど変わらない一方、副作用などにより薬をやめる人は、増えていた。

 日本うつ病学会の治療指針は、症状が重い場合には、薬を低用量から始め「有害作用に注意しながら可能な限り速やかに増量する」「十分な最終投与量を投与する」とある。米国精神医学会の治療指針も、副作用が許す限り、最大限の用量を使うとある。

 古川さんは「抗うつ薬が効かないなら量を増やすべきだと考えられてきたが、逆効果だと示された。量を増やすより別の薬を試すべきで、治療指針の見直しが必要ではないか」と話している。

 論文はサイト(http://www.thelancet.com/journals/lanpsy/article/PIIS2215-0366(19)30217-2/fulltext別ウインドウで開きます)から読める。(岡崎明子)

岡崎明子

岡崎明子(おかざき・あきこ) 朝日新聞医療サイト「アピタル」編集長

科学医療部記者。広島支局をふり出しに、科学医療部で長く勤務。おもに医療、医学分野を担当し、生殖医療、がんなどを取材。特別報道部時代は、加計学園獣医学部新設問題の取材で日本ジャーナリスト会議(JCJ)賞を受賞。オピニオン編集部デスクを経て、2020年4月からアピタル編集長。