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 禁煙の飲食店を紹介するインターネットサイト「ケムラン」の東京都文京区版が開設された。区社会福祉協議会が助成しており、5月31日の世界禁煙デー前日の30日夜には、サイトオープンを記念した催しが区内であった。飲食店の規制が強化される来春を前に、禁煙に切り替える店を応援する狙いもある。

 ケムラン(https://quemlin.com/bunkyo/別ウインドウで開きます)は、大阪医科大学でがんの統計などを扱う研究支援センター医療統計室長の伊藤ゆりさん(42)が始めた。食べ歩きが好きで、たばこの煙に邪魔されずに食事を楽しめる店の情報を仲間と共有しているうちに協力者が増えた。大阪でスタートしたが、現在は首都圏や関西圏を中心に約650店を掲載している。

 約150人いるボランティアの「特派員」が各地の店を訪れ、電子たばこも含めた完全禁煙であることを確認するのが特徴。人に店を勧めたいと感じたら、店主に許可を得て掲載する。

 サイトでは店の雰囲気やお勧めメニューとともに、「日本酒は香りが第一。禁煙化してよかった」「店の大将が心筋梗塞(こうそく)で倒れてからご本人もお店も禁煙に」「禁煙でお客さんが減った時期もあったようですが回復」など、店側の思いや事情もつづっている。

 文京区版は、伊藤さんが区社会福祉協議会の「提案公募型協働事業」に応募し、助成を受けて開設された。受動喫煙を防ぐ環境を広げるとともに、区民や区内在勤者らが地域の店とつながるきっかけにもなるという。今は26店舗だが、区民らの協力を得て増やし、特集記事なども載せていく予定だ。

 区民センターで30日夜あったイベントでは、文京区らしいケムランの活用法を参加者が出し合った。「大学が多いから外部の人が利用できる学食を紹介する」「子育て世帯が多い区だからニーズはある」――。出席した成沢広修区長は、禁煙にしたことで外国人や家族連れが増えて喜んでいる区内の飲食店のエピソードを紹介。「そういう店が増えてほしい」と話した。

 都の受動喫煙防止条例では来年4月から、従業員を雇っていればすべての飲食店が原則禁煙にする必要がある。客足が遠のき、利益が減ることや、常連客からの反発などを心配し、踏み切れない店舗もあるという。区生活衛生課は「禁煙にした店でお客がさほど減っていないことをケムランで知れば、4月を待たずに踏み出す店も増えるのではないか。サイトで応援してもらい、新たなお客さんがつながれば、さらに効果的だ」と話した。(上野創)