ポータブルトイレを嫌った父 自ら選んだ「最期の場所」

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それぞれの最終楽章訪問看護師とともに(2)

楽患ナース訪問看護ステーション所長 岩本ゆりさん

 今回紹介する方は、最期まで自分らしい生き方を貫いた男性Fさん(享年80)です。肺がんで大学病院に通院していたのですが、それ以上の治療は難しく、介護の相談窓口である「地域包括支援センター」を通じ、私どものステーションに訪問看護の依頼があったのです。

 2016年6月、初めてご自宅を訪問すると、いわゆる「せんべいぶとん」に寝たFさんがいました。ふとんは敷きっぱなしで、全く動いた形跡がありませんでした。まずは介護ベッドを入れ、ヘルパーの手配をしました。

 奥さんは数年前に亡くなっていて、40代の2人の息子さんがいました。同居する長男が主に介護を担い、近くに住む次男が時々手伝いに来ていました。2階で長男が、1階でご本人が寝ていました。

 病状の進行で、トイレへ歩いていくのが徐々に難しくなっていきます。長男が、ベッドそばのポータブルトイレを使うように何度説得しても、「俺はトイレに歩いていく」と聞き入れませんでした。

 夜中もトイレに歩いては転倒…

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