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 高校野球の春季近畿地区大会は2日、奈良・佐藤薬品スタジアムで決勝があり、近江(滋賀)が延長十一回、神戸国際大付(兵庫)を7―5で下し、2003年以来16年ぶり2度目の優勝を果たした。昨夏の甲子園も経験したエース左腕の林優樹(3年)が完投。この春から1年生の世話係も引き受け、心身ともにさらなる成長を誓う。

 3点リードの十一回の守り。近江は1点を失い、なお2死満塁。打席に準決勝で2本塁打を放っている柴野琉生(るいき)(同)を迎えた。

 緊迫した場面で、マウンドの林には周りを見る余裕が残っていた。「バックがいる。ベンチやスタンドも背中を押してくれている。思い切り腕を振るだけ」。カウント1―2から、落ち着いて勝負球のチェンジアップを投じ、二飛に仕留めた。

 この春、1年生の生活面や練習の面倒を見る「1年生係」を、多賀章仁監督から提案された。「気配り、目配り、心配りが大切」と普段から聞かされていた林は「人に教えることで成長できるはず」と、引き受けた。自らの練習だけでなく、指導に本腰を入れて取り組み、「心に余裕を持てるようになり、責任感も強まった」と話す。

 思えば昨夏の全国選手権大会準々決勝。金足農戦で浴びた逆転の2点スクイズも、「周りが見えていなかったからやられてしまった」と林は振り返る。打たれてはいけない場面でこそ、心に余裕を持つことが大切だということを身をもって知る左腕は、どうすればいいのかを探り続けてきた。

 精神面だけでなく、勝負球のチェンジアップを生かすため、冬は直球を磨いた。変化球に頼りがちだった投球も幅が広がった。

 連投となったこの日は、強打の相手打線を五回まで5奪三振と力でねじ伏せた。だが、多賀監督から「初球から狙っている。始めから打ち取っていけ」と助言を受け、捕手の有馬諒(同)と話しながら、後半は1球目から低めに球を集めて、打たせて取る投球に切り替えた。

 成長の足跡を残せた春。林の気持ちは雪辱の夏へ向かう。「あとは100%の状態で夏を迎える」(高岡佐也子

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