[PR]

 フェイスブックで知り合った外国の軍人を名乗る男性に好意を寄せ、送金するために勤務先から計1千万円を横領したとして、業務上横領の罪に問われた小崎啓子被告(66)=愛知県日進市=の判決が3日、名古屋地裁であった。板津正道裁判官は懲役1年8カ月(求刑同2年6カ月)の実刑を言い渡した。

 小崎被告は、外国人らが結婚などをちらつかせて女性の金をだまし取る「国際ロマンス詐欺」の被害に遭ったとみられる。板津裁判官は「好意を抱き横領金の全額を送金したが一度も会えず、被告も詐欺の被害者の可能性が高く、同情に値する」と述べた。しかし「あなたが懲りて反省しているのは分かるが、やったことを考えると猶予はつけられない」と説諭した。

 言い渡しの間、被告は顔を両手で覆い、前のめりに。前回の被告人質問では「何度もやめようと思ったが信じてしまった。悔いても悔いきれない」と法廷で涙を流した。

 判決によると、小崎被告は昨年12月と今年1月、経理担当として長年勤務していた名古屋市の老人保健施設の口座から、2回にわたり計1千万円を着服した。

 公判で検察側は、小崎被告は好意を寄せた男性に訪日費用などとして着服金を送り、「男性の歓心を買うため、勤務先を食い物にした」と指摘。着服総額は1億3700万円に上ることを明らかにした。弁護人によると2人は日本語のメールなどでやりとりしていたという。