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 日没順延に雨、そして地元フランス出身のペールを応援する「ブノワ」の大合唱が降り注ぐ会場。錦織の4回戦は、これ以上ないぐらい厳しい条件だった。4時間26分だった3回戦に続き、激戦を制した錦織は「何とか勝つことができた」と安堵(あんど)した。

 2試合連続での逆転劇だった。大きかったのは第5セット、3―5となった相手のサービスゲーム。最初からリスクを顧みずに何度も前に出て行き、30―40から渾身(こんしん)のフォアでブレークした。その後は、互いにミスが続く我慢の展開になったが、「フルセットになっても、集中力は落ちない。諦めないことが一番の力」と、土壇場で力を発揮できる錦織が一枚上だった。

 ただ、内容にはもどかしさが残る。大会前から課題にあげるフォアが深刻だ。イメージ通りに相手を左右に動かした後にふかすなど、狙った場所に打てない。ダブルフォールトは6個で、勝負所で痛恨のミスをする場面もあった。

 集中力と底力で8強まではたどり着いた。しかし、次戦は全仏11度の優勝を誇り、「クレーコートでベストの選手の一人」と錦織も評するナダルだ。まだ見ぬ全仏の4強に入るには、大きな壁が立ちはだかる。(パリ=遠田寛生)