「人を責めるな、しくみを責めよ」。そんなトヨタ式の考えを家庭に応用し、家事のあり方を再考する本があります。その名も「トヨタ式家事シェア」。記者(35)は育児休業からの復帰を控えた2月、書店でこの本を手に取り、ギクッとしました。なぜなら以前、家事の分担で、会社員の夫(34)を責めてしまったことがあるからです。今度は平和裏に助け合いたい。本にあるアイデアを実践してみました。
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記者が爆発したのは、子どもが5カ月の頃。夫は子煩悩だったが、仕事が忙しく、帰宅はいつも午後11時半すぎ。実家も遠方で、朝から晩まで1人で不安だらけの子育てと家事に追われ、とうとう夫にうったえた。「私は出産で体も生活もすべて変わったのに、なぜあなたは何も変わらないの」。以後、週末にそれまで以上に積極的に家事・育児に関わってくれるようになったが、今度は洗濯物を間違った場所にしまわれたり、洗いたい物が残っているのに洗濯機を回されたりすることにイライラ。子どもの離乳食では「何をどれだけあげればいい?」と聞かれ、「こっちは毎日それを悩みながらやってるんだ。少しは自分で考えて」とまたイライラ。関わってほしいのに、関わられるとイライラする悪循環だった。
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時は流れ、子どもは1歳に。記者の復職も近づいてきた。そんな時出会ったのが、「人を責めるな、しくみを責めよ」と書かれたこの本だった。