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 中国の民主化を求めた学生らが弾圧された1989年6月4日の天安門事件から30年に合わせて、当時、現地で取材した香港メディアの記者らが4日、新書を出版する。記憶の風化が指摘される中、歴史を語り継ぐのが狙いだ。

 書名は「我は記者なり―天安門事件の印影」。中国政府が天安門事件に関する言論を厳しく統制し、事件を知らない若い世代が中国内で増えていることに危機感を抱いた記者たちが出版の準備を進めてきた。

 文章を寄せた記者は取材中に銃で撃たれて負傷した女性ら60人。一部はすでに退職しているほか、事件後に関係者を取材した記者も含まれている。軍の発砲で混乱を極めた北京の様子を振り返りつつ、未公開の写真や取材内容も収録されている。

 香港のテレビ局の記者として、北京で取材にあたった陳潤芝さんは3日の記者会見で、「天安門事件は決して過去の出来事ではなく、現在につながっている事件だ。我々には天安門事件を記録する責任がある」と訴えた。(香港=益満雄一郎)