[PR]

 俳優でありながら、脚本や演出、衣装のデザイン画も描くマルチプレーヤー。新進気鋭の26歳、池田純矢が手がける舞台「絶唱サロメ」が10月に上演される。

 原案は、オスカー・ワイルドの戯曲「サロメ」。生きることに嫌気がさしていた王女サロメは、美しい歌声を耳にする。声の主は牢獄に幽閉されていたヨカナーンで、妖艶(ようえん)な力にひかれて逢瀬(おうせ)を重ねていく。

 アーティストの松岡充(みつる)を自ら口説き、主役に引き入れた。小さい頃からテレビで目にしていた憧れのスター。2年前に舞台で共演し、その底知れない魅力を「妖怪みたい」と冗談めかして語る。

 「サロメ」の持つ「残酷さや不道徳なものの裏側にある耽美(たんび)な魅力」にぴったり合うと直感した。「ライブを拝見したら、言葉が実体となって、ドンと目の前に現れた。これを演劇作品に落とし込めたら面白いんじゃないか」。飲み屋に誘い出して、台本を渡し「これを兄さん(松岡)にやってもらいたいです」と直談判した。断られたら舞台をお蔵入りにする覚悟だったが、無事にOKの返事。「ああ(作品が)生まれるんや、とうれしかった。音楽と演劇を融合させた、今までにない舞台にしたい」

 14歳のとき「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」の準グランプリを獲得。俳優として活動しながら、2015年に脚本・演出を手がける「エン*ゲキ」シリーズを始め、今作がその第4弾となる。

 脚本・演出をしようと思ったきっかけを尋ねると「『面白い方向に歩いてきたら、なんか始まった!』と。気づいたら始まってたパターンです」。元々、作る側と演じる側の垣根を感じておらず「物語を作り出す『エンターテイナー』という意味では一緒」とひょうひょうと語る。

 出身の大阪は、池田に言わせれば「日本のNY(ニューヨーク)。エンターテインメントに一番近い場所」。子どもの頃から劇場に行き、漫才や吉本新喜劇を見て育ち、演劇を「高尚で堅苦しいものではなく、もっとラフにしたい」と夢を抱く。「『劇場なんて行ったことない。マナーなんて分からへん』と思っている人も、きっと大丈夫。楽しんでいただける作品になっていると思うので、カラオケやボウリングと同じように、デートやお子さん連れでふらっと来てほしい」「劇場を出たとき『面白かったね』と言ってもらい、その後のメシが進む、みたいなのが理想。それを目指して作品を作ってます」

 10月5~13日に東京・紀伊国屋ホール、26、27日に大阪・サンケイホールブリーゼ。自身も出演し、松岡のほか豊原江理佳、鈴木勝吾、シルビア・グラブらと共演する。問い合わせは公演事務局(0570・200・114)。(杢田光)