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 高校野球の春季北信越大会は3日、富山市民球場で準決勝2試合があり、第1試合で星稜(石川1位)が富山第一(富山2位)を5―2で下し、4年連続となる決勝進出を決めた。

 「これだけは誰にも負けたくない」。本塁から二塁へ、そんな思いを乗せた白球が伸びていく。低い軌道のまま、遊撃手が構えたグラブにどんぴしゃで収まった。1点リードの五回、2死一塁で星稜の捕手、山瀬慎之助(3年)は二塁への盗塁を試みた相手走者をアウトにした。

 ピンチの芽を摘み、「気持ちよかったです」と満面の笑みで振り返った。山瀬にしては珍しい。

 世代屈指の右腕、奥川恭伸(3年)と小学4年からバッテリーを組んできた。甲子園でも2年春から3季連続でマスクをかぶり、主将も務める。高校日本代表の1次候補に選ばれたが、脚光を浴びるのは、やはり奥川。山瀬は支えることに徹してきた。

 今春の選抜大会後、奥川が肩の違和感を訴えた。石川県大会での登板はなく、「こんなに奥川の球を受けなかったのは、去年の秋に奥川が高校日本代表で抜けていたときだけ」と振り返る。

 エースに頼れない状況。奥川以外の投手を必死でリードしながら勝ち上がってきた。「改めて奥川がすごい投手と実感しました」。同時に、「奥川だけのチームにしたくはない」という思いも強くなった。だから、奥川が投げなかったこの日、自信のある肩でチームに貢献できたことを素直に喜べた。

 選抜では優勝候補にあげられながら2回戦敗退。勝ちきれなかった要因は自覚している。「チーム力で勝てるようになって、この大会を夏につなげたい」。春秋では3季連続となる北信越大会制覇に挑む。

 第2試合は敦賀気比(福井2位)が日本文理(新潟1位)を8―3で下した。決勝は4日午前10時から同球場で行われる。(小俣勇貴