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 元農林水産事務次官の熊沢英昭容疑者(76)が東京都練馬区の自宅で長男(44)を殺害したとされる事件で、熊沢容疑者が事件数日前、妻に対し「次また暴力を振るわれたら長男に危害を加える」との趣旨の考えを伝えていたことが、捜査関係者への取材でわかった。調べに「殺さなければ殺されていたと思う」とも述べているという。警視庁は心身ともに追い詰められていたとみて経緯を詳しく調べている。

 練馬署などによると、熊沢容疑者は、無職の長男英一郎さんによる家庭内暴力が中学2年の頃に始まったと供述。離れて暮らしていた時期もあったが、事件約1週間前の5月下旬、英一郎さんの希望で妻と3人での同居を再開した。英一郎さんは引きこもってゲームで遊ぶ一方、再び暴力を振るうようになった、とも説明しており、この頃妻に自身の考えを伝えたという。

 今月1日には、隣接する区立小学校での運動会について、英一郎さんが「音がうるさい。ぶっ殺すぞ」と発言。熊沢容疑者が注意すると不機嫌になったため、「怒りの矛先が子どもに向き、危害を加えてはいけない」と感じたという。

 数時間後の午後3時半ごろ、熊沢容疑者は英一郎さんを包丁で殺害した疑いがある。首の切り傷など上半身を中心に数十カ所の傷があり、警視庁は強い殺意があったとみている。