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 全国屈指の夏の暑さで知られる岐阜県で、家畜伝染病「豚(とん)コレラ」の防疫措置にあたる作業員の熱中症対策が課題になっている。県は、高温の中での重労働を減らしたり、1回の作業時間を短くしたりするなどの対応を始めている。

 5月下旬、豚コレラの感染が確認された岐阜県山県市の養豚場で、防護服姿の作業員らが豚の殺処分を進めていた。感染拡大を防ぐため施設から少し離れていた報道陣の取材場所からも、埋却にあたる作業員がペットボトルを手にしている姿を確認できた。

 この日、山県市に近い岐阜市の最高気温は33・5度。午後5時でも31度を超えていた。県によると養豚場内では、作業員らが熱中症指数計を確かめながら作業したという。

 岐阜県は国内歴代最高気温の上位五つのうち三つを占め、昨夏は下呂市金山町と美濃市で国内歴代最高気温まであと0・1度に迫る41・0度を記録した。

 国内で26年ぶりとなる豚コレラが岐阜市で発生したのは昨年9月で、盛夏での防疫作業は未経験。県は、5月の山県市での作業から熱中症対策を強化した。

 元々は1日3交代制だったが、4交代制に変更。8時間で交代していたのを6時間ごとに短縮した。

 ほかにも、熱中症指数計と気温を常時監視して、一定の数値を超えた場合は作業を中止することにした。現場には熱中症対策の責任者を置き、水や茶、ゼリー、塩あめなどを従来の2倍以上用意して積極的に取るよう促した。

 それでも対策は万全とは言えない。全身を覆う防護服は熱がこもりやすく、「夏服」のような軽装もない。県は参考になるような過去の事例はないか調べているが、有効な方法は見つかっていないという。(山野拓郎、松浦祥子)