憲法改正への大連立構想に公明代表「全く聞いていない」
今野忍
「まったく聞いていない」――。公明党の山口那津男代表は4日の記者会見で、自民党の下村博文・憲法改正推進本部長が憲法改正に向け、野党の一部との「大連立構想」を披露したことに不快感を示した。
下村氏の「構想」は、3日夜に飛び出した。東京都内で記者団の取材に応じ、国会で憲法論議が進展していない現状への不満を漏らしたうえで、「参院選の結果にかかわらず、ステージを変える必要がある。大連立を組むとか、思い切ったことをやっていかないと、憲法改正は難しい」などと述べた。
これに対し、山口氏は「連立という重要な課題について、自民党の幹部から話を聞いたことはまったくない」と一蹴。自衛隊の根拠規定を明記する自民の憲法9条改正案について「自民党のなかで考え方がわかれていると認識している。細かい説明は必ずしも国民に伝わっていない」と牽制(けんせい)した。(今野忍)
下村博文・自民党憲法改正推進本部長
国会での憲法改正の議論は膠着(こうちゃく)しており、秋の臨時国会もこのままだったら、(安倍晋三首相が掲げる2020年の新憲法施行は)絵に描いた餅になる。ちょっとステージを変える必要があり、大連立を組むなど思い切ったことをやらないと、憲法議論に着手できないのではないか。そのくらいの覚悟しないと、憲法改正は進まない。個人的な思いだが、(改憲に前向きな政党との)大連立は選択肢だと思う。(東京都内で記者団に)
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