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 今年1月、東京都立高校の廊下で撮影された15秒ほどの動画が、ツイッターに投稿された。

 言い争いをする男性教員と男子生徒。腕を組んでいた教員が、生徒の顔に右手を伸ばすと、生徒は壁際に吹っ飛び、倒れ込んだ。それを引きずって教員が怒鳴った。

 「ふざけんじゃねぇよ。あ!? 誰に言ってんだ」

 教室からほかの生徒が止めに入ったところで、動画は終わる。高校生の9割超にスマートフォンが普及したから明らかになった「教員の暴力」だった。この問題で教員は一時、指導の場を離れ、都教育委員会は処分を検討している。

 ただ、動画はもう一つあった。別の生徒が撮影し、長さは1分15秒ほど。言い争いになる前からの様子が映されていたほか、「ツイッターで炎上させようぜ」という撮影者の声も入っていた。

 長い方の動画は数日のうちに340万回以上も再生された。次第に、「生徒が教員をはめた」との見方がツイッターなどで広がり、生徒や動画の撮影者らの個人情報の特定が始まった。顔写真、学年と出席番号、携帯電話の番号、自宅の住所――。SNSへの過去の投稿や親の写真や勤め先とされる情報もあった。

 生徒たちを知る人によると、暴力を受けた生徒と撮影した生徒は連携を取って教員を「はめた」わけではない。

 撮影した生徒は自習中に大声が…

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