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 今年1月に大腸がんの手術を受けたプロ野球阪神の原口文仁捕手(27)が4日、1軍選手登録され、この日開幕したセ・パ交流戦の初戦のロッテ戦(ゾゾマリン)に代打で出場。いきなり適時打を放った。

 4点リードの九回1死三塁。「代打・原口」の名前がコールされると、球場全体が大きな拍手と歓声に包まれた。5番手レイビンの変化球を打ち返すと、打球は左翼フェンス直撃の適時二塁打に。二塁到達の際はヘッドスライディングし、ガッツポーズで声援にこたえた。

 試合前から原口には、温かいまなざしが向けられた。ファンは原口の愛称をもじった「必死のグッチ」と書かれたタオルを掲げたり、背番号「94」のユニホームを着たりして練習を見守った。原口がフリーバッティングで左翼席へ放り込むと、観客から大きな拍手がわき起こった。

 原口のユニホームを着て応援した大阪市在住の大学生、徳永美樹さん(21)は「昨日復帰するという報道を見て、泣きました」。偶然、この日のチケットを買っていたといい、「今のチーム状況は最高だと思う。去年のような勝負強い打撃を期待しています」と話した。

 千葉県在住の会社員、本宮道成さん(50)は「あまり気張らないでほしい。私たちファンは戻ってきてくれただけでほっとしているから」と原口の体を気遣った。そして、「去年の活躍をみんな忘れていない。ファンだけではなく、同じ病気の方にも大きな影響を与えられる存在になった。希望になる」と続けた。

 千葉県船橋市の自営業、永田安芸寿さん(51)は虎ファン歴45年以上。「無理はするなと言いたい」としながらも、「原口は1打席で勝負できる。右中間や左中間に抜ける二塁打を見たいね」と活躍を期待していた。(辻隆徳)