【パノラマ写真】360度カメラで撮影した「カメラを止めるな!」の舞台となった芦山浄水場=戸田拓撮影
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廃虚探訪in茨城<第3回>

 各地に残る「廃虚」には、かつてあった日本の姿が残されています。中でも茨城県には、ネット上でたびたび話題になる有名廃虚があります。水戸市内の使われなくなった浄水場で撮影された映画「カメラを止めるな!」(上田慎一郎監督)のロケ地もその一つ。取材を進めてみると、廃虚の魅力とともに、保存と活用に悩む現場の事情が見えてきました。

ツアーに40人殺到

 今年2月にあった「カメ止め」のロケ地ツアー。上田監督、主演俳優の濱津隆之さん(37)と真魚さん(27)と一緒に、浄水場の中を巡りながら、映画のシーンを再現するというものでした。県内外から参加した40人は、自作の小道具を持ってくる人もいて、目をキラキラさせながら、出演者にお気に入りのセリフを求めていました。

 驚いたのは、申し込み開始から約30分で定員に達したというツアーの人気ぶりです。廃虚はロケ地として、十分な観光資源になり得るのか? ドラマや映画のロケ誘致などを担当する水戸市の担当者に話を聞いてみました。

 4月下旬、水戸市みとの魅力発信課の平戸正英さん(36)の案内のもと、再び浄水場の中に入りました。 さびた正門をくぐると、大きな建物が見えてきます。これはなんとなく見覚えがある……と思ったら、映画冒頭にある「37分ワンカット」シーンで使われた場所でした。撮影されたのは夏だったので映画では草が生い茂っていましたが、訪れた日はそこまでジャングル感はありませんでした。

「最近勝手に開くように…」

 平戸さんによると、主に撮影場所に使われたのは浄水場内のポンプ機械室。扉を開けようとすると、少しすき間が開いています。平戸さんは「最近勝手に開くようになった」と首をかしげました。建物はコンクリート造りのせいか、少しひんやりとしていました。何台ものポンプや計器が並び、浄水場らしさが見えます。壁はところどころ黒ずみ、窓ガラスが割れた部分からは廃虚感が漂っていました。

 再び外に出ると、穴が開いてボロボロに朽ちたドラム缶が何台も放置され、へこんだ机や電気工具も放置されていました。撮影前に下見で来た上田監督は「もう(セットが)出来上がっている」と言っていたようで、それがよく分かります。記者が足を踏み入れたときも、浄水場の設備などが映画に出てきたままの状態で、セットがそのまま放置されているのかと思うくらいでした。

茨城の廃虚を巡るシリーズの最終回です。全3回。20年近くも使われず、放置されていた廃虚に転機が訪れました。

実は洗練されたデザイン

 意外だったのは、頑丈な造りで…

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