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 4日夜、香港では事件の犠牲者を追悼する恒例の集会が開かれた。参加した市民らはろうそくを手に、事件から30年がたっても実現しない中国の民主化を訴えた。中国本土の人々に寄り添う香港の姿を示してきた集会だが、その活動は曲がり角を迎えつつある。

 香港では1989年、北京の天安門広場に座り込んだ学生を支援する動きが盛り上がった。追悼集会を開いてきた「香港市民支援愛国民主運動連合会」(支連会)は、この運動をルーツに持つ。4日の追悼集会には約18万人(主催者発表)が参加。支連会は、香港市民も中国本土の住民も「同じ中国人」との立場から祖国の民主化を訴えてきた。

 しかし、2014年の民主化デモ「雨傘運動」が抑え込まれて以降、香港の若者の間で反中感情が広がり、「自分は香港人」とのアイデンティティーが強まった。中国本土の民主化より香港の民主化が先だと考える若者が増え、香港大など主要大学の学生会は、支連会の集会への参加を見送るようになっている。

 支連会の何俊仁主席は朝日新聞のインタビューに、「香港が中国の民主化運動で果たしてきた役割は大きい。毎年、何千万人もの中国人が来て、集会や言論の自由を目撃している」と活動の意義を語る。一方、自分たちの活動が、中国本土との違いを強く認識するようになった若者の共感を得られなくなっていることへの危機感を隠さず、「若者との交流を増やし、私たちの活動を理解してもらうしかない」と述べた。(香港=益満雄一郎)