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 岩手県立博物館(盛岡市)の男性学芸員の研究チームが、約60点の金属製の文化財の一部を所有者に無断で切り取っていたことがわかった。5日、同館が明らかにした。記者会見した千田貴浩副館長は「保存処理業務の中で、不誠実な対応があったことをおわびする」と謝罪した。

 同館は、東日本の遺跡から出土した金属製の文化財を、各自治体から依頼を受けて、保存処理したり材質などの分析をしたりしている。2001年から14年にかけては、県内外の遺跡から出土した約200点について分析したという。

 このうち鉄器や小刀など少なくとも60点について、男性学芸員ら5~6人のチームが「文化財を劣化させる有害物質が含まれているかを調べるため」として、無断でW形に約7ミリ四方の大きさを切り取ったという。

 千田副館長によると、こうした目的で文化財を一部切り取ることはあるが、一般的には所有者の了承が前提という。今回は「コミュニケーションの不足により、提供先の自治体に伝えないまま切り取り行為を行ってしまった」という。

 男性学芸員は16年3月、文化財を無断で切除していたとして、岩手県文化振興事業団から文書訓告処分を受けていたが、同館は公表していなかった。(中山直樹、成田認)