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 盗むという行為への衝動が抑えられない。幼い頃に始まった万引きは20代になっても続いた。何度逮捕されても万引きをやめられなかった高知県の女性(33)。だが今年1月、高知地裁で、女性の「常習性」が否定される異例の判決が出た。裁判所が認めた病名は精神疾患の一種「窃盗症(クレプトマニア)」だった。

窃盗症(クレプトマニア)とは…
経済的な欲求からではなく、衝動的に万引きを繰り返す精神疾患。国内では、世界保健機関(WHO)の国際疾病分類の定義や米国精神医学会の診断手引が診断基準として使用されている。

 「また捕まったな」。人生で16回目の逮捕だった。

 高知県内在住の女性(33)は2016年3月、高知市内のスーパーマーケットの駐車場で、私服の警備員に手をつかまれた。

 役所に住民票を取りに行く予定だった。だが気がつくと、近くのスーパーに自然と足が向いていた。

 陳列棚が目に飛び込んでくると、うずいた。歯ブラシ、歯磨き粉、フライパン。目につくものを持参したエコバッグに一心不乱につめこむ。レジでポテトチップス1袋分だけ支払い、店を出て呼び止められた。

 「すみません」。店の事務室に連れて行こうとする警備員に素直に従った。万引きの容疑で逮捕された。

バッグに収まりきらず、服の中にも

 2カ月前にも逮捕された。

 ネイル教室からの帰り道で、ドラッグストアが目にとまった。店に入ると、ガーゼ、葉酸、ドッグフードなどの日用品をショルダーバッグに入れた。腹巻きは店の中で箱から無造作に取り出した。盗んだ商品はバッグに収まりきらず、服の中にも隠した。

 女性はこの2回の万引きで、17年7月に常習累犯窃盗罪で起訴された。常習的に窃盗を行っており、窃盗などの罪で過去10年に6カ月以上の懲役刑を3回以上受けた上、さらに罪を犯すと成立する犯罪だ。

 幼い頃から万引きを繰り返し、20代の大半を刑務所や医療少年院で過ごしてきた。

 初めての万引きは小学6年生だ…

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