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 大丸松坂屋百貨店を傘下に置くJフロントリテイリングが、出産や育児を契機に会社を辞めた女性を受け入れる「マザー採用」をスタートさせ、有能な人材の確保につなげている。畑違いの異業種からも応募があり、脱「百貨店」戦略を掲げる同社の即戦力となっている。

 マザー採用は2018年春から本格的に開始。システムや不動産、財務など専門知識を持った人材を必要に応じて採用し、これまでに計9人が入社した。あえて「マザー採用」とうたうことで、幼児のいる女性が応募しやすいようにしているという。

 大丸松坂屋百貨店の不動産事業部で、百貨店周辺の土地開発に携わる1級建築士の30代女性は、6歳未満の子ども2人がいる。以前の勤め先で、育休後にやりたい仕事ではない部署に異動を命じられたため、マザー採用に応募し、入社した。

 マザー採用の効果について、Jフロントの山本良一社長は「外から質の高い刺激が入って、異分子結合のようにいい影響が出ている」と評価。「百貨店が転換期にある今、新しい価値観や発想、挑戦がどんどん生まれる組織にしていきたい」と話す。

 同社は、複合商業施設の「GINZA SIX(ギンザシックス)」を17年4月に開業したり、専門店の「パルコ」を傘下に入れたりして、従来の百貨店の業態にとらわれない小売り業態の確立をめざしている。(佐藤亜季)