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 発見が難しく、国内で年間3万人以上が亡くなる膵臓(すいぞう)がんの新しい治療法の臨床試験(治験)を、関西医科大の研究チームが10日から始めた。友田幸一学長が同日、製薬会社の協力が得られなかったため、必要な資金をネットで募ると記者会見で発表した。「クラウドファンディング」というしくみで、目標金額は1千万円だ。

 計画では、腹膜にがんが転移して手術が難しくなった膵臓がんの患者計180人が対象。胃がんの治療ですでに使われている抗がん剤「パクリタキセル」と「S―1」を併用した治療と、従来の抗がん剤治療で効果を比べる。治験に使う二つの薬はいずれも価格が安いジェネリック(後発)医薬品が複数の会社から発売されており、それを使う。

 普通、新薬を保険で使えるようにする場合は、製薬会社が費用を出して治験で安全性や有効性を調べる。一方、今回は医師主導型の治験で、こうした費用は出ない。治験費用は国の研究費などでは足りず、製薬会社7社に協力を求めたが断られたという。

 今回のように、後発医薬品があるような薬を、新たに別の病気でも保険で使えるようにする場合、患者は安く使えるが、製薬会社にとっては利益を見込めないからだ。友田学長は「研究費用は削減され、国からの私大への補助金の額は先が読めない」と、ネット募金を決めた。

 新治療法は同大胆膵外科の里井壮平教授らが研究している。2012~15年に、腹膜転移した膵臓がんの患者33人を対象に治療したところ、生存期間が延び、8人では腹膜への転移がなくなり手術できるようになったという。

 里井さんは「元気な状態で長く治療を受けられることが期待できる」と呼びかける。寄付は「レディーフォー」(東京)のサイト(https://readyfor.jp/projects/suigan別ウインドウで開きます)で9月8日まで募る。

 膵臓がんは自覚症状が出にくい…

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