京都に滞在中の上皇ご夫妻は12日、京都市内にある孝明天皇と明治天皇の各陵を訪れ、拝礼した。上皇ご夫妻はこの行事をもって、在位中の3月12日から始まった退位に伴う一連の行事を終えた。

 ご夫妻はこの日午前に同市東山区の泉涌寺を訪れ、境内の南東にある孝明天皇の後月輪東山陵(のちのつきのわのひがしのみささぎ)に、上皇さま、上皇后美智子さまの順でお一人ずつ向かった。上皇さまはモーニング姿、美智子さまはロングドレスの参拝服姿で、門から陵までの120メートルほどの坂道を歩いて上り、陵の前で玉串を捧げて拝礼した。その後、同市伏見区にある明治天皇の伏見桃山陵(ふしみのももやまのみささぎ)でも順次拝礼した。宮内庁幹部によると、お二人は一連の儀式が終了したことに安堵(あんど)した様子で、職員へのねぎらいもあったという。

 退位後初の地方訪問。退位に伴う行事のための訪問だが、退位したことに伴い、車は、退位前の同様の儀式に用いた大型のセンチュリーロイヤルではなく、通常のセンチュリーに乗り、天皇旗ではなく新たに製作した上皇旗を立てた。前日に東京を出発した際には、三権の長の代表による見送りも無かった。宮内庁は、退位に伴う皇室行事にも公費を支出できると整理したが、上皇さまのお気持ちに沿い、天皇家の私費を充てた。(中田絢子