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 別居中の妻が凍結受精卵を無断で使って子どもを出産したとして、奈良県の外国籍の40代男性が「父子関係がないこと」の確認を求めた訴訟で、男性の敗訴が確定した。最高裁第二小法廷(三浦守裁判長)が5日付の決定で、男性が敗訴した一、二審判決を支持し、男性の上告を棄却した。

 一審・奈良家裁と二審・大阪高裁の判決は、2人は別居中も定期的に会っており、夫婦の実態はあったと指摘。「妻が婚姻中に妊娠した子は夫の子と推定する」と定めた民法の規定を基に、父子関係を認めた。

 一、二審判決によると、2人は体外受精で複数の受精卵を作り、2011年に第1子をもうけた。13年に別居したが、妻は冷凍保存していた受精卵を男性に無断で使って妊娠し、15年に出産。16年に離婚した。

 生殖補助医療による出産について、一審は「夫の同意」がなければ法的な父子関係は認められないとの見解を示した。ただ、高裁と最高裁はこの点について判断しなかった。(北沢拓也)