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 乳がん手術後に行う乳房再建や、豊胸手術に用いる人工乳房で起きる血液がんが国内で初めて報告されたとして厚生労働省は7日、製造販売業者に添付文書の改訂と医療機関への情報提供の徹底を指示した。指示を受けたのはアラガン・ジャパン社。人工乳房は国内では、同社の2製品が承認されている。

 人工乳房を入れた後、周囲にできる被膜組織に血液がんの一種、リンパ腫がまれに生じることが知られている。今回の事例は、乳房再建術などを専門とする日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会が今年実施した調査でわかった。学会などによると、患者は17年前に乳房再建手術を受け、現在、リンパ腫の治療中。同社の製品と類似した未承認の人工乳房が使われていたという。

 人工乳房を入れた後に起きるリンパ腫は進行が遅く、早期に見つかれば被膜と人工乳房を取り除くことで、治癒が期待できる。厚労省の指示を受けて同社はこの日、添付文書の「使用上の注意」に、人工乳房の周囲に腫れや痛みなどの症状があれば速やかに医療機関を受診することを追記した。同社によると、フランスやカナダでは今回の製品が販売中止になっているという。(姫野直行)