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 皮下組織や筋肉などの「軟部組織」で発生する悪性腫瘍(しゅよう)(がん細胞の塊)の「肉腫」に対抗する新たな治療法の確立に向け、神奈川県立がんセンター(横浜市旭区)のがんワクチン・免疫センターが、新たな臨床試験(治験)の対象患者を募っている。昨年行ったがん免疫療法の治験では、治療法に乏しい肉腫向けの手法が確立できなかったため、患者の体への負担を減らすやり方で実施する。

 がんセンターによると、この免疫療法は医師主導による治験で、患者から最大200ミリリットルの採血をしてリンパ球を取り出し、がん細胞が持つ目印を攻撃する遺伝子を導入。特殊技術で培養してから体内に再び戻し、がん細胞をなくすことが目的だ。

 2~3カ月間の準備期間を経て、治療入院で約2カ月間。ワクチン投与を受けた場合は治験終了後も15年の間は追跡調査する。ワクチン投与量の妥当性や副作用の程度確認などの安全性チェックで最大12人、さらなる効果と副作用確認で最大9人を目標に治験患者を募る。治験期間は来年3月までだが、状況により期間延長もあり得る。

 昨年の治験では、実施前に一定の抗がん剤を投与する前処置をしていたが、体への負担が大きいとして抗がん剤投与をやめ、効果を高めるためにがんワクチンを複数回投与する手法に変えるという。

 肉腫には目印のあるがん細胞が含まれることが多いとされるが、がん患者であっても、この目印がない場合やHLAという白血球の型式に当てはまらないと治験には参加出来ない。保険適用の治療や入院費用などは自己負担額が発生する。

 国立がん研究センター希少がんセンターによると、2012年度の統計で、国内の軟部肉腫患者は人口10万人あたり約3人と少ない。がんワクチン・免疫センターの笹田哲朗部長は、「白血球の型式が合うかどうかなどで対象患者は絞られてしまうが、人口の多い県内を中心に、近隣県の患者などに幅広く呼びかけたい」としている。問い合わせは同センター直通(045・520・2227)。(岩堀滋