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 市販の風邪薬にも使われる経口薬を用いた難病「ゴーシェ病」の臨床試験(治験)を、鳥取大医学部付属病院(鳥取県米子市)の脳神経小児科のグループが開始し、11日発表した。治験は公的医療保険の適用を受けるために必要な手続きで、患者に1年間投与し、効果と安全性を確認する。

 薬は風邪でのどに炎症がある時などにたんを出しやすくする際に用いられる「アンブロキソール塩酸塩」。ジェネリック(後発)医薬品も多く出されている。2008年にカナダの研究でゴーシェ病の治療に効果が期待されるという論文が発表され、同病院で10年から研究を進めていた。今回の治験では、1日3回、1年間錠剤を口から飲む。鳥大病院が主導し、同病院を含む4カ所の医療機関で3人をめどに実施する。

 治験の責任医師の成田綾(あや)・同病院脳神経小児科助教によると、ゴーシェ病は、遺伝子の変異が原因で起こる先天性の代謝異常症。発症時期はまちまちで小児から老人まで患者は国内に100人から120人程度いるとされる。肝臓や脾臓(ひぞう)の肥大、骨の痛みや骨折といった症状と、手足のぴくつきなどにより歩行困難になったり目が不自然な動きになったりする神経症状がある。肝臓や脾臓、骨の症状に対しては点滴で酵素を補充するなどの治療法がある一方、神経症状については、脳へ薬剤を届けることが難しく、根本治療につながる治療法が見つかっていなかった。

 成田助教は「まだ有効な治療法がなく、病状が進行する中で待っている患者さんがいる。一日でも早く薬を届けられるよう努力したい」と話した。(長崎緑子)