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 第66回春季東北地区高校野球大会(東北地区高野連主催、朝日新聞山形総局など後援)は11日、山形県野球場(荘銀・日新スタジアム)で決勝があった。明桜(秋田第1代表)は延長戦の末、弘前学院聖愛(青森第2代表)にサヨナラ負けを喫し、秋田経法大付時代以来32年ぶりの優勝を逃した。弘前学院聖愛は初優勝。

夏へ宿題 気持ちを切り替え

 同点に追いつかれた直後の九回表、1死一塁で回ってきた5度目の打席。加藤洋平選手(3年)はシュート回転気味の直球をバットに当てたが、打球は一塁手のミットへ。全力で一塁を走り抜けたが、併殺と知ると足をぴたりと止め、直立したまましばらく動くことができなかった。

 この試合、3打席連続で安打を放った。一回には初球を右前へ運び、先頭打者としてチームを盛り上げた。「自分が塁に出れば得点する確率が高い。一回の初球は絶対に打つと決めている」

 接戦を勝ち抜いてきた春の県大会と東北大会では、これまで計4試合で1点差。リードされる展開でも相手の隙を逃さず流れを引き寄せた。

 だからこそ、「流れ」の重みはよく分かっていた。小さなプレーが試合の流れを決定づける。「(打撃好調の)自分が抑えられたことで、流れが向こうに行ってしまった」。九回の併殺後に直立しながら、嫌な予感が頭をよぎった。

 そして延長十回。相手のサヨナラ打に、キャッチャーマスクを外し、正座で天を仰いだ。「ちょっと、頭が真っ白でした」

 それでも、閉会式が終わる頃には気持ちを切り替えていた。「今日はバントミスが目立った。自分たちは長打力がない分、小技や機動力を使っていかないといけない」。夏への宿題が見つかった。(野城千穂)