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 せめて店の入り口にスロープを――。そんな思いから、長野県諏訪市在住の画家、原田泰治さん(79)や茅野市にある諏訪中央病院名誉院長、鎌田實さん(70)らが11日、「らくらく入店の会」を発足させた。ほんの少しのプラスがあれば、誰だって街に出て店を利用できる。そんな店を増やそう、という趣旨。賛同する店に貼ってもらう原田さんデザインのロゴマークも作成済み。諏訪エリアから全国に広げる構想だ。

 原田さんが呼び掛け人となり、鎌田さんに加え、いずれも諏訪市の会社会長、小島信勇さん(78)、酒造会社専務の宮坂恒太朗さん(39)が加わった。

 原田さんは小児マヒで車いす。小島さんはパーキンソン病。宮坂さんは31歳でALS(筋萎縮性側索硬化症)を発病した。鎌田さんを除いて、体が不自由な生活を送っている。11日は諏訪市役所で設立の報告会も開き、原田さんは「階段が1段あるために入りたい店に入れない」と実情を説明。「でもそこにスロープがあるだけで入れる。それは僕たちだけじゃなくて、観光客も同じ」と理解を求めた。

 鎌田さんは高齢者の例を挙げ、「街に出なくなると一気に認知が進むことがある」と前置き。「出歩けるかどうかが生命線。店を改装するとき、行政が1万円でも2万円でも補助を出せば入りやすい店になりえる。(整備が進めば)諏訪盆地が日本の先頭を切ることになる」と述べた。

 原田さんによると、カギは店の入り口だ。「入り口さえ入りやすくなったら80点。あとは店員さんが手伝ってくれる」と話す。「誰かがそれを言わないと進まないので、思い切ってやることにしました」とも。

 運動を進めるシンボルが、スロープと車いすをあしらった原田さんデザインの赤白のロゴマーク。原田さんは「一生懸命作りました。オリンピックのマークと並べても恥をかかないように作りました」。今後はステッカーにして、車いすや足の不自由な人でも入りやすくした飲食店、洋装店、美術館、公共施設などに貼ってもらう計画だ。

 「『うちは(入り口をスロープに)しています』と連絡がきて、ステッカーを貼ってもらう。そういう店が広がってほしい」と原田さん。諏訪エリアから始め、「全国に広がれば素晴らしい」と話している。

 問い合わせは会の事務局を務める原田泰治美術館(0266・54・1881)へ。(依光隆明)