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 金沢大の今春の入試で、男性同性愛者を描いた漫画などを題材に、性的少数者の子どもへの対応を考え、700字以内で答える問題が出ました。あなたなら、どう答えますか?

 考える一助として、セクシュアリティー教育を専門とする埼玉大の渡辺大輔准教授(45)に性の多様性をめぐる教育現場での議論を振り返ってもらいました。また一般社団法人「fair」の松岡宗嗣代表理事(24)に、日本の現状について聞きました。

金沢大入試の設問
漫画「弟の夫」(双葉社)の一部を読んだ上で、性的マイノリティーの子どもが今後、不利益を被ることなく学校生活を送るために、教師やクラスメートなど、周りの人たちはどういった対応を取ればよいとあなたは考えますか。資料1~4を踏まえた上で、具体的な提言を交えながらあなたの考えを700字以内で述べなさい。(一部改題)

苦悩する性的少数者の子ども 渡辺大輔・埼玉大准教授

 出題の背景には、性的少数者をめぐる問題への関心の高まりがあります。文系後期一括入試で出されたということは、幅広い人権感覚が文系の学問には必要だ、という大学のメッセージとも言えます。

 入試問題に資料としても出ていますが、「いのち リスペクト。ホワイトリボン・キャンペーン」の2013年調査の報告書によると、異性愛ではない男子が小学生から高校生の間にいじめや暴力を受けた経験は、言葉による暴力が53%、無視や仲間はずれも34%にのぼります。

 そもそも、性的少数者の子どもは自分自身を肯定的に捉えることに困難を抱えることが多くあります。生まれた時にあてがわれた性別とは異なる性別で生きたいトランスジェンダーの子は、自分の性別とは別の性別を日々求められ、同性に恋愛感情が向く子どもは、「同性を好きになるのはおかしい」という価値観が支配的な中、自分を受け入れることが難しくなります。ともに自己肯定感は低くなりがちで、自殺を考える割合も高いことが指摘されています。

 性的少数者の子どもは昔からおり、決して新しい人権課題ではありません。ただ、抱える生きづらさが可視化されたのは、近年になってからです。

 社会の関心が高まったのは、埼…

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