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 きらびやかな衣装や鬼の面を身につけた子どもたちが、神話にもとづいた演目を笛や太鼓、鐘のおはやしに合わせて壮大に舞う。神が宿るとされる竹の棒「採物(とりもの)」を握る手は小さく、可愛らしい。福岡県豊前市の三毛門地域で豊前神楽の保存に取り組む「三毛門子ども神楽」のメンバーだ。

 豊前神楽は福岡・大分両県にまたがる旧豊前国に伝わる神楽で、2016年に国の重要無形民俗文化財に指定された。市生涯学習課によると、1603年の文献に「神楽」の記載が残っており、中世後期には確立していたとみられる。求菩提山が近くにあるため、舞や演目に修験道の影響を大きく受けているという。

 両県の32団体が保存活動に取り組んでいる。そのうち豊前市内には岩屋、山内、黒土、三毛門、大村、中村の六つの神楽講(保存会)があり、春や秋の祭りの季節に地元の神社で舞を奉納している。同課によると、昭和30~40年代に少なくとも2団体が消滅。中村地区では一時中断し、1973年に復活した。

 近年はどの団体も参加希望者が減り、後継者不足に悩んでいる。各団体は地元の伝統を後世に残そうと、地域外から人を受け入れたり、幼いころから祭りで神楽を見てきた子どもの神楽に取り組んだりしている。

 三毛門神楽講は07年から子ども神楽を始めた。現在は3~15歳の子ども38人が所属。近砂宏信君(8)は週一度の練習だけでなく、家の庭でも神楽を舞い、学校でも友達と「神楽ごっこ」で遊んでいるという。

 昨年は「女子神楽」も作り、6~16歳の12人が練習している。原則「女人禁制」とする神楽講が多く、指導する内丸典久さん(36)は「批判を覚悟していたが、まったくなく、むしろ温かい反応。色々な神社から『来てください』と声をかけていただいた」と話す。

 17年4月の祭りでは限定で、…

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