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 講談社が発行する女性ファッション誌「ViVi」が10日、ウェブ版で自民党との広告企画記事を掲載した。政権与党とファッション関連媒体が組んで広告キャンペーンを展開するのは極めて異例だ。

 広告企画は、「どんな世の中にしたいか」をツイッターやインスタグラムで記し、「#自民党2019」「#メッセージTシャツプレゼント」のハッシュタグをつけて投稿すると、メッセージTシャツが13人に当たるというものだ。

 同誌の公式HPには「Diversity(いろんな文化が共生できる社会に)」「Express Yourself(自分らしくいられる世界にしたい)」など、「ViVi」公認のインフルエンサーの女性らが、自ら考えたメッセージ入りTシャツを着用してポーズを取る姿がアップされている。Tシャツの袖には自民党のマークもついている。問い合わせ先は「#自民党2019」プロジェクト事務局だ。

 約20万人のフォロワーがいるViViの公式ツイッターが10日、キャンペーンについてつぶやくと、大きな反響が広がった。11日午後9時現在で、2100超のコメントがつき、大半は「Tシャツより年金がほしい」「(ViViに対して)がっかりした」「ダサい」など批判的な意見だった。「いいね」も1100超ついた。

 一方で、インスタグラムにTシャツを着た写真を投稿したインフルエンサー個人には、「可愛い」というコメントも目立つ。また「すごい」「応募する」というコメントもあった。

 講談社は取材に対して、「このたびの自民党との広告企画につきましては、ViViの読者世代のような若い女性が現代の社会的な関心事について自由な意見を表明する場を提供したいと考えました。政治的な背景や意図はまったくございません。読者の皆様から寄せられておりますご意見は、今後の編集活動に生かしてまいりたいと思います」と書面でコメントした。政党の宣伝ではないかと重ねて問うと、「コメントは差し控えさせていただきます」と回答した。

 ライターの武田砂鉄さんは、「他人の価値観を理解し、尊敬し合えることができたら」などのインフルエンサーの言葉について、自民党政権下で選択的夫婦別姓や同性婚が法的に認められていないことなどを踏まえ、「むしろ自民党的でないことを言っている」と指摘。また、彼女らの意見に自民党がどう考えているのか明示せずに投票行動を促しているとして、「正体が見えてこない不気味さがある」とも語った。

 ファッション誌「ヴォーグ」日本版の元編集長、斎藤和弘さんは「雑誌業界は厳しく、生き残るためにお金の出どころを考えないといけないのは確かだが、ファッションは、時代感覚やユニークでかっこいいものをどう考えるかが問われる」と話した。

 日本雑誌協会によると、「ViVi」の月当たりの平均発行部数は、今年1~3月期で11万5千部と、2009年同期の43万5千部から3割以下になった。大手広告会社電通によると、18年の業界全体の雑誌の広告費は1841億円で、10年前と比べて半減以下になっている。(宮田裕介、滝沢文那、高橋牧子)

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