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 マメ科の植物クローバーをえさにウニを養殖する技術を九州大と宮城大が開発した。天然ウニに遜色ない品質で栄養も豊富という。

 高級食材のウニは近年、各地で海藻を食べ尽くす「磯焼け」の一因となっている。海藻が枯渇している磯焼けした海のウニは身入りが悪いため、駆除して廃棄している地域もある。

 九大大学院農学研究院の栗田喜久助教(35)は、東北大助教だった2016年秋、こうしたウニを捕って太らせる研究を始めた。年中手に入りやすいものをと考え、クローバーやススキなど身近な植物4種をキタムラサキウニに与えた。

 半年後にウニを割ると、クローバーを与えたものは天然ウニ並みの身の大きさで、黄色い身の部分の色も鮮やかになった。宮城大食産業学群の西川正純教授、片山亜優助教の協力で栄養成分を調べると、αリノレン酸やドコサヘキサエン酸(DHA)は天然ものより多かった。クローバーはマメ科でたんぱく質が豊富だからではないかという。

 栗田助教は昨春、九州大に赴任し、ムラサキウニでもほぼ同じ結果を得た。両大学は今年3月、クローバーでの養殖技術を特許出願。実用化に向け協力できる養殖業者を探している。また、放置竹林のタケノコをえさに養殖できないかの実験も進めている。

 クローバーはどこにでも生えている草だが、四つ葉のものを意識して摘み、ウニに与えているという。栗田助教は「あっさりおいしくて、体にもいい。幸せを運んでくれるウニです」と話す。(渡辺純子)